ものごころついたときには周囲からブタと呼ばれていた。智枝という名前だから「チエブタ」。幼い頃から背が低く太っていた。鼻もつり上がっていたし、目はまぶたに埋まって細かった。
ブタのあだ名をもつ「わたし」が小学四年生にになったある日、鏡を見ると顔の前に豚の顔が映っており……。
豚美との出会いから、小学生時代のイジメを通して、少しずつ変わっていく「わたし」が本当に抱えていた問題とは。子供時代に起こる、不平等で不均衡な成長の情景を描いた短編作品。