主人公の女性が小学校六年生だったときの話。
ひょんなことから「怒らないごっこ」という遊びが流行り、約半年間、わたしのクラス全員、まったく怒らなかった。遊びの一貫で怒ることを禁じたわたしたちだが、時間とともに、その感情や行為はいつのまにか変化していく。
そしてある日、「わたし」が事件に巻き込まれ……。
怒りや暴力といった人間性を、人がどう扱い、どう自分の内面で折り合いをつけていくのか、子供時代の記憶から描いた物語。