とある音楽アーティスト、トミナガの苛立ちの話。
曇った冬の日に車を運転しながら、ダッシュボードにしまった煙草を吸おうか吸うまいか、モヤモヤと悩むトミナガ。彼は一本の電話を待っていて、同時に、待っている自分に対して辟易している。
寒い日にオープンカーで道を飛ばす、わざと大音量で音楽をかけて首を振る、酒が飲みたいと考える。思考の向こう側には、ある男の記憶が何度も巡る。